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重い水

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カテゴリ:感覚( 8 )

希望的観測

一人ひとり消えていくだろう。
あれだけ聞こえていた声もなくなる。
轟音のような声、
ふいに怒鳴られることもない。

全部消えていったら、
自分一人が残るだろう。
しかし、
自分の中身は、
全て砂になって流れていくだろう。
透明で美しいぬけがらが残るだろう。

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by heavywater | 2015-07-10 22:36 | 感覚

半月

半月が
半月がずっと私を見ています。
地球上どこにいても
顔をこちらに向けて
半月が
私を見降ろし
笑顔で無言でたった一人で
一人きりで
こちらを見て
私は隠れることができない。

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by heavywater | 2015-06-12 21:21 | 感覚

苦味

苦味は脳の奥まで届いて
奥底に眠る己を目覚めさせる。
重い瞼を開きながら
重い体をゆっくりと起こし
無意識の海から立ち上がる。
果てしなく大きな身体をゆすって
まとわりつく雑音を振り落とし、
光を見上げる。

「苦味」はあの「光」から来た。
この深淵まで届いた。
これが「   」ということか。

そして再び眠りに就く。

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by heavywater | 2015-04-26 13:08 | 感覚

重い水

落ちながら、
いや、落ちていません。
地面すれすれに浮遊しながら
笑顔であいさつを交わし何も考えない。
考えると妨害されるのです。

重い水が。
澱が舞い上がり細かな砂とまじりあい
重い水が思考を浸食していく。

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by heavywater | 2015-04-22 09:49 | 感覚

圧壊

少しずつ押しつぶされていく。
あまりにもゆっくりと進行していくので気付かない。
高まる内圧。
気付かないが、それでもどこかで痛みを感じている。
わずかずつ増していく痛み。
決定的な言葉は排斥の言葉。
圧壊。この物語はここまで。
続きはない。


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by heavywater | 2015-04-08 20:26 | 感覚

幸せを感じるとき

「生きていてよかった」
と思う時間がある。

まあ、すぐに終わるのだけれども。

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by heavywater | 2015-03-07 11:08 | 感覚

深層

冷気は常にお前を見ている。
厚さ5センチ、全身に張り付き
腕を肩にまわしてくる、笑っている。

今はとても
途方もない砂に埋もれている。
腕を上げればさらさらと落ちるはずの砂。
砂の温もりに目を閉じる日々は
腕を肩にまわしてくる、笑っている。

温もりはやがて肌の奥深くを焦がして
冷気が圧力をかけ全身をくるむ。
実体のない抵抗は
溺れても気づかせない周到さを持つ。

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by heavywater | 2015-02-19 21:22 | 感覚

身体感覚

足先が崩れ溶けていく。
手指は鋭敏になる。
視界に膜がかかる。
頭骸骨の中は炭酸水で満たされる。
皮膚の下に薄いシートが、
弱い電流の流れるシートが入っている。
胃の中のりんごは主張する。
りんごは白くて硬く、胃壁を押す。
胃壁は厚く薄く弾力がある。
関節の血管には大量の血液が流れている。
心臓は震えている。


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by heavywater | 2015-02-17 20:22 | 感覚